確実に効果の出る漢字の勉強法について

漢和辞典

漢字の暗記は、みんなが頭を悩ませる勉強のひとつです。
漢字だけでなくても、暗記のやり方には共通点が多いかと思います。
私は国語担当ですので、今回は漢字の勉強のやり方をご説明してみたいと思います。
いつも、青山ゼミ生には伝えているやり方です。

漢字の勉強をする上で大切なことは2つです。
「意味を確認すること」

「繰り返すこと」
です。

この2つは必ず意識してください。お願いします。

意味を確認すること、について

漢字は「表意文字」という種類のもので、文字ひとつひとつが音だけでなく、意味も持ちます。
対して、ひらがなやアルファベットなどを表音文字と呼びます。

表音文字は、あるひとつの文字について、その文字が持つ情報が「形」と「音」しかありません。
丸暗記しか方法がないのですが、これは一般的な日常生活でクリアできる範囲であることがほとんどです。

これに対して、漢字は表意文字ですから、ある漢字が持っている情報は、「形」「音」に加えて「意味」があります。表音文字よりも情報がひとつ増えただけですが、この「意味」がすごいと思っています。

由来と形がつながっている

まず、「意味」を持つ文字であるということは、なぜその形になったのかの「由来」が存在します。すなわち「成り立ち」が情報のひとつになり得るのです。

たとえば、「鳥」は「とり」という動物の特徴をかたどった象形文字ですが
(1画目が頭[とさか]orくちばし、3〜5画目が顔、4画目が目、最後の点4つが足、という具合です)、
体全体が黒いため、目がどこにあるかが見えにくいという由来から4画目を抜いた「烏(からす)」という漢字ができます(他にも説はあります)。
この話を知っておくと、「烏(からす)」を覚えることは苦ではなくなります。
「由来(成り立ち)」は重要な情報のひとつです。

確かに、表音文字にも由来はありますが、音と由来に関連性がありません。よって、表音文字における由来は、文字を覚えるためにはあまり重要な情報ではありません。

意味の組み合わせで新しい漢字ができる 

また、「意味」を持つ漢字を複数組み合わせることで、新たな「意味」もつ漢字ができあがります。
たとえば、「田」で「力」仕事をする人を「男」と呼びます。
     「鳥」が「口」を使って「鳴」きます。
以上の漢字は小学生レベルですが、中学生、高校生のレベルになっても原理は同じです。

このように、表意文字である漢字は、「形」「音」「意味」の3つの情報が軸になっていますので、意味を理解することで覚えやすさが格段にアップします。

かならず意味といっしょに漢字を押さえるべきです。

繰り返すことについて

次に、繰り返すことの大切さです。
授業ではよく、生徒が必ず知っていることをどのように覚えているかを考えさせます。

たとえば、

私 「曜日を逆から言ってごらん」
生徒「土→金→木→…」
もちろん、みんな言えます。

そこで次に、
私 「曜日を覚えようとしたことがあるか?」
生徒「ない」
私 「なぜ苦労していないのに覚えていると思う?」
生徒「…」
ここを考えさせます。

しばらく時間をあげたあと、「毎日見ているから」と私から伝えます。
私が言う前に、気づく生徒は気づきます。

曜日の順番は、日常的に繰り返していることになっているので、自然と覚えています。
だから、曜日を逆順に言うような「応用問題」も、考えればできるのです。

覚えなければならない漢字も、原則は同じです。
意識的に繰り返すようにすべきです。

ただし!
繰り返すとはいえ、この画像のような繰り返しは意味が全くありません。
断言します。全く意味がありません。

漢字くりかえし
良くない漢字練習例

このノートの例は、繰り返しをするものが違います。

やってほしいことは、「チェック」の繰り返しです。
・答えを見ずに正しい漢字を書けるか?
・問題を見てすぐに答えが浮かぶか?
などを確認してこそ、繰り返しに意味が出てきます。
だから、問題を解く→丸付けをする→問題を解く→丸付けをする…を繰り返すべきです。

この例は、漢字の書き取りを繰り返しているだけであり、チェックは一番上で1回しかできていません。しかも、「あと何回書かんといかん」とか、「あと何ページある」とかのほうに意識が行ってしまいますので、作業にしかなっていません。この勉強法は、すぐに止めてください。断言します。全く意味がありません。

では、どうすればよいのか?

ここまでの特徴をもとに、実際にすべき勉強法をお伝えします。

まず、目の前に覚えなければならない漢字(テスト範囲のプリントなど)を準備して、
一度問題を解きます。
このときのポイントは、「わからないならすぐに飛ばす」ことです。
数学のように考えて解く問題は、考え続けることでひらめくことがあるかもしれません。
しかし、漢字は知らなければ絶対に解けません。時間をかけるだけ無駄です。

言うのは簡単ですが、これがなかなか難しいのです。
なぜなら、生徒は「分からない状態を隠そうとするからです。」
気持ちは分かります。だからこそ、毎回毎回、「気にするな」と言い続けています。
ここはコーチ役が必要だと感じています。

ひととおり最後まで解き終わったら、すぐに答え合わせをします。
間違った答えについては、答えを見ながらしっかりと「1回」書きます。
ここではまだ繰り返すポイントではありません。

漢字を書くのを繰り返すのではなく、問題を解くことを繰り返すべきです。
答え合わせが終わったら、もう一度同じ問題を解きます。2回目です。
1回目より1問でも多く分かる問題が増えればOKです。2回目で完璧にする必要はまったくありません。

2回目も解き終わったらすぐに答え合わせです。
終わったら3回目にいきましょう。問題を解くというチェックを繰り返します。

8割くらい正解できるようになれば、今日の漢字の勉強は終わりです。

次の日、もう一度問題を解きます。
8割方正解できるまで、同じように繰り返します。
前日よりは絶対に正解する問題は増えているはずです。

完璧に近くなったら、もうちょっと期間は空けて良いかと思います。
1週間後にもう一度繰り返します。問題ない場合が多いですが、忘れていても構いません。
もう一度繰り返せば良いのです。

以上が漢字の問題の解き方です。
ポイントは、「覚えていないことを気にしない」ことです。
「完璧にしようと思わない」ことです。
ある意味、機械的に繰り返すことが大切です。

ぜひ、試してみてください!